みぎきき

こどもがいる生活の忘備録

パーソナルカラー診断を受けてみた

今までまったく興味がなかったパーソナルカラー診断。
なんとなくおもしろそうなのと、復職後はなかなかできなさそうなことをしてみたかったのと、やって損はなさそうという気持ちで予約を入れた。

診断時には「小さなこどもがいて、今までのようには服を買いに行けない。ネットで買うにしても無駄買いをなくしたい。」と言おうと思った。

 

サロン探し。どこもサイトから伺える雰囲気や内装、診断してくれる方のテイストがまったく好みではなくて、というかそれほど幅もなくて、「パーソナルカラー診断」と謳っているものが一様に醸し出す空気がある。

 

どこも等しく好みではないので予約の取りやすそうなところを優先にした。資格を取っている人ならばある程度は均質のクオリティで診断してもらえるだろうという予測のもと。

 

当日。

サロンに着くやいなや、サロンのオーナー兼カラーコーディネーターの穏やかで優しい声質&トーンながらもとてつもない早口が聞き取れない。
流れるように何かをお話されているところで「〜どちらになさいます?」と聞かれたけれど、その前がまったく聞き取れずもう一度言ってもらうと「ローズヒップティールイボスティーどちらになさいます?」だった。ヒアリング力が試される。

 

お茶が出されると同時に始まるカラー診断とはの説明。速い。とにかく速い。
限られた時間で情報を伝えるためと、基本的にすべての人に同じステップで診断を行うからだろうけども、息継ぎをしているとは思えない速さ。声のトーンがやさしいだけにボリュームは控えめでそれでいてこれだけの早口、驚きの聞き取りづらさ。

 

そもそものパーソナルカラーとは?ということについてはkakimoto armsのこの内容がとても分かりやすかった。

www.kakimoto-arms.com

 

以下はわたし個人への診断の記録も兼ねて。長いです。

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・服のカラー診断

いよいよ鏡の前で調整された照明のもと、ドレープと呼ばれる色とりどりのツヤっとした、テロっとした布を顔に合わせていく。わかりやすくするため、白い布でほっかむりのようにされて、髪も耳も隠されすっぴんの顔面のみが露出している状態で、両肩にドレープを次々とかけていく。

カラーチャートは春・夏・秋・冬の4種類に分類されていて、まずはわたしがどの季節の人なのか=どの季節のカラーチャートがいちばん似合うのかを探っていく。

ちなみにピンクは春?ということではなくて、すべての季節にそれぞれのピンクがある。なのでピンクが似合うかどうかではなくて、どの季節のピンクが似合うのかというようなステップで診断が進む。

ちなみに好きなチャートは?のアンケートには「冬?」と答えた。
顔の作りから原色が似合うと思っていたし、逆に淡い色はあまり得意ではないと感じていたので、アンケートの苦手な色にもそう書いた。

 

すぐさま「夏ではない」と診断が下る。秋か冬かに早々に狭まり、どちらかを精査する段階になる。次々と色を当てながら「これは違うでしょ?これは似合う、これはお顔がくすむでしょう?」と目にも留まらぬ速さで進むけれど、正直この時点ではそれほどピンと来ない。ただ、たしかに夏の色をあてるとボンヤリとし、冬の色はケバケバしく見えるのは感じた。結果、イエローベースの秋だった。

 

わーホントだ!印象も顔色もまったく違う!みたいな驚きや衝撃はないけれど、同じ青でも夏・冬の青と、春・秋の青を交互にあてると確かに感じが違う。自分の感想としては「似合う色」よりも「似合わない色」の方が断然わかりやすかった。そしてその「似合わない色」は案外普段選びがちなパキッとした鮮やかな色で、それが冬の色だった。どう似合わないかといえば、ギラギラとしてより気が強そうに見え、肌や全体の印象が安っぽく見えた。そして秋の色はどんな色かといえば、アースカラー、濁りの色。カーキグリーンやマスタード色、テラコッタがそれに該当する色。秋の人には明るくはっきりとした色=冬の色は鬼門とのこと。ずっと着てたよ!

 

アンケートで好きな色には赤と答えた。結果、赤はとても良く似合うとのことで、黄色の入った秋の朱赤がベストだけれど、この色に限っては季節をそれほど気にせずとも着こなせる色と思っていいとのこと。これは秋という診断とわたし個人の顔つきや肌の色に基づいてのお話。

 

そして診断すべてを通していちばん意外だったのはグレーがNGなこと。秋の人は最も避けたほうがいい色らしく、顔がくすんでみえるそう。無難な色と思いきやまさかの落とし穴…。

 

・アクセサリーのカラー診断

秋の人が身につけるには、質感はギラギラ・キラキラした透明感がないもの、つや消し・マットなものがOKで、色はシルバーはNG、似合うのはイエローゴールド。素材はパールや木、ツヤのない石などがいいとのこと。これは実際に素材をそれぞれあててみて、自分でも実感した。この日つけていたST.CATの大きなピアスはまさに質感と色味が秋で、これだけ派手なものだけれど大正解、似合うものを選んでいるとのコメント。(おしゃれな友人たちから誕生日プレゼントで贈られたものだった、さすが…)それとこの日にかけていた眼鏡も色味と素材が秋だったらしく正解とのこと。


・メイク&ヘアスタイルのカラー診断

春・秋=イエローベース、夏・冬=ブルーベースとされていて、メイクや髪の色もつまりそれに引っ張られる。今流行の青味ピンクはもってのほかで、オレンジ寄りのコーラルピンクなんかが馴染む色。髪色もイエロー寄りを勧められる。

 

・眉とヘアスタイルの提案(オプション)

最初にどのコースが最適か質問した際に、一番シンプルな上記のカラー診断にこれを足したもので十分でしょうとのことで追加。

眉はその場で思いっきり改造された。自眉に一切手を付けていなかったので、完全に別物。ここは好みなどを聞かずに、コーディネーターの独断でいきなり手を入れられたので面食らった。眉用のシェーバーで形を変えられ、ペンシルとパウダーで描き足された後に初めて鏡を見せられた。ひと目で全く好みではないし、髪の色をイエローよりのブラウン(一番おすすめの色)にする前提で、眉もブラウンで描かれているけれど、今は黒髪なのでかなりちぐはぐ。こういう無難というか当たり障りのないきれいさを当てはめると途端につまらない顔になることを久しぶりに思い出した瞬間。そして夜メイクを落として初めて、自眉がどんな形になっているかを知る…。

 

そして髪型。分け目を変えられ位置を指定される。長めに左から右に流した前髪にされ、ウィッグを当てられながら、毛先をワンカールさせそのカールが鎖骨に乗る長さと診断。今まではシンプルなスタイルを好んでいたかもしれないけれど、くるりんぱや編込みなど手の込んだやわらかな印象の髪型が似合うタイプとのこと。

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ざっくりとこんな感じ。

ここまでで45分ほど。70分のコースだけどわたしから特に聞きたいことや質問がなかったので、これで終了。料金は18,000円だった。

 

似合う髪型と髪色と眉毛、この3点「そうですか」と思うと同時に、鏡を見て「これ、もうわたしじゃない」とも思った。

 

似合うの思い込みを払拭して、本当の自分に!みたいなことは期待してなかったし、そもそも自分が自分に選んでいた髪色や髪型は顔貌よりも、こんな時はこんな風な言動をする自分・こういうものに立ち向かっていたい自分みたいなところに基づいてたんだなってことに気づいた。

色そのものの診断には抵抗感がなかったのに、ここに関しては強く拒否感を感じたのは何だろう。数多ある選択肢から「あなたの髪型はこれ」と自分には髪型とすら呼べないようなつまらない形を1つあてがわれたことがひどく不満だった。似合う=つまらないなんて最低だと思った。自分をつまらなくするなんて最悪だと思った。

 

前髪パッツンの黒髪ボブ、そう聞けばそれだけでキャラクターが立つスタイルだとは思うけど、それが自分にはとても似合うし、気分がいいし、切りたての時はいつでも何度でも生まれ変わった気持ちで、どこまでも自分は自分のままで歩いていけるような無敵さがある。これから髪型や髪色を変えることもあるだろうけど、この無敵感を感じられないようなスタイルにする意味があるとは思えない。

 

診断中たびたび耳にする「女性らしく」「やわらかく」「お母さんなんだから」これらはすべてより魅力的に見せる・見えるためのお話で出てくるもので、まったく悪意はなくむしろ好意から。ただ「お母さんなんだし」はいつでも宙に浮いたまま、上手く受け取れない。気が強過ぎず、女性らしく、やわらかい印象に。そうなりたいかと言われれば、そうかもしれないけど、そのために服を買ったりメイクをしたり、髪を切ったりしているわけでもない。

 

端からこのカラー診断に何かを託していたわけでもなく、娯楽として受けたところが大きいとは言え、原色NGや明るいピンクのチーク鬼門など、自分のテンプレとしてきたものがひっくり返されておもしろかったし、もちろん勉強になった。

それと同時に、いくらセオリーとして似合うとされているものでも、まったく受け入れられないもの・受け入れるつもりもないものもある。特に髪型やメイクは似合うの枠を超えて楽しみたい・挑戦してみたいで選んでこそ、という気持ちもあるので、あまり縛られずにいようと決意を新たにした。

 

ちょうど昨日買ったメイクアップアーティスト草場妙子さんのこの本がまさにわたしの気分にぴったりで、勇気が出た。

草場妙子 アノニマ・スタジオ 2018年04月03日
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今週、久しぶりに美容院に行くけれど、そこで「イエロー寄りのカラーで前髪は流せる程度に伸ばします。後ろもワンカールで鎖骨くらいまでにしたいので伸ばしやすく整えてください。」なんてきっと一生言わない。

17年担当してくれているスタイリストも決してそれに賛成しない。きっと暗めにリタッチして、前髪は眉がギリギリ隠れるラインできっちり揃えて、前下がりか水平か前上がりかは担当の気分で、いずれにしろ顎のラインでぴっちりと切りそろえた美しいラインのボブにする。そしてわたしは生まれ変わった気分で、どこまでも歩いていける無敵な気持ちで、切りたての毛先で風を感じながら街を歩く。