3月最後の日
赤ちゃんのお昼ごはんに生まれて初めてグラタンを作った。
これまた生まれて初めて作って冷凍してあったホワイトソースを使って。
料理が苦手で、渡仏して初めて一人で暮らした時もまったく料理ができない状態だったけど、知り合う人みんなが料理上手で毎日のように一緒に食事を作ったり、夕食に招いてくれるような恵まれた出会いばかりだった。そこで自炊をするようになったけど、日本に帰ってきたらフランスほど自炊が楽ではなくて、あちらは手をかけずに食べられる素材が豊富だったことを思い知った。
夫はわたしが料理ができないことを気にせず、作っても作らなくてもいいし、むしろ彼の方がずっとセンスがある。
なので妊娠と同時にずっと離乳食をおそれていた。こればかりは逃げられない。
できるだけ遅く始めようと思っていた離乳食。
苦手意識が強すぎていつになっても始められる気がしなかったわたしは、赤ちゃんが生後5ヶ月になって1週間後に10倍がゆを作る夢を見て、それを合図に突然離乳食を開始した。10倍がゆすら失敗した初期、Twitterのお母さんたちが親身になって助けてくれた。
パルシステムのベビー向け食材に大いに助けられながら、中期モグモグ期へ。
いよいよ料理らしくなる食事に、やっぱり毎日のようにTwitterママたちに助けられて、トマトソースやホワイトソースを生まれて初めて作った。
本やwebからの情報も頼りにしたけど、今自分がしていることが正解かわからなくて途方に暮れている時にリアルタイムで指示をくれるお母さんたちが何よりも頼もしかった。
連日夢に見るまで追い詰められて、不安で怖くて仕方なかった離乳食。
3回食になった今は毎度の支度になんと楽しみさえ感じる。ひとりじゃぜったいに無理だったなぁ。
そして今日のグラタン。
10倍がゆさえ失敗した、夢の中で離乳食を作る夢を見て何度起きてもできてないとなげいた、冷めて固まったホワイトソースがこわくて鍋ごと捨てようかと思ったわたしがグラタンを作った。
わたしは赤ちゃんを育てているけど、わたしはお母さんたちに育てられてるなぁと実感した日だった。